塩水浴手引き
1. 隔離水槽の準備
たまたま空いていた小型水槽があったので、今回はこれを利用。
ただし、通常の治療では、バケツ(10リットル前後)を使用する方が一般的。
というのも、薬品によっては、光が当たると成分が分解してしまい、薬効がなくなってしまうものもある(エルバージュなど)からだ。
また、周囲が見えない方が、金魚が落ち着く、と言う理由もある。
ただし、この点については、(あくまで個人的な感想だが)飼育歴が長い金魚であれば、関係ないような気がする。
今回は、撮影目的もあったので、これを使用したが、特に理由がない限りは、不透明なバケツを利用するようにしよう。
2. 隔離水槽に飼育水を準備
現在飼育している水槽から、飼育水(金魚が住んでいた水)を取り出す。
とりあえず、4リットル。
この水槽に、治療するじーちゃん金魚を移動する。
また、これとは別に、塩を溶かすための新水(カルキを抜いた水道水)を1リットル、別のバケツに準備しておく。
こっちの水は、まだ上の水槽には混ぜないように。
3. 塩を準備
文字通り、ただの塩。「毎日使うから、シンプルがいい。」塩。パスタ茹でるのに使っている塩。
それから、塩を計量するために、料理用のスプーンを準備。
料理用の小さじ1杯が、おおよそ5gで、これを1リットルの水に溶かせば、0.5%の塩水になる。
ちなみに、通常売られている「3本一組」の計量スプーンは、大きい方から順に、「大さじ」「小さじ」「二分の一小さじ」。「中さじ」なるものは存在しない。
というわけで、使うのは3本のうち中くらいのサイズのさじ。間違えないように注意しよう。
4. 塩を計量して塩水を作る
今回の塩水浴では、2.で準備した飼育水4リットル+新水1リットルの、合計5リットルで行う予定。
というわけで、使う塩は、小さじ5杯分(25グラム)。
さじでの計量は、すり切りが基本。
こんな具合に、盛り上がった分はすり切る。
こんな感じ。
撮影しながらなので、ちょっとすり切りすぎた感じだが。
で、実際に何グラムかというと、4.5グラム。
やはり、ちょっとすり切りすぎていた。
ちなみに、金魚コーナーでも解説している通り、0.5%という濃度は、多少ミスしても十分余裕があるだけの濃度なので、この程度の誤差は問題なし。
化学実験をしているわけではないので、あまり神経質になる必要はない。
ちなみに、金魚屋のおっちゃんは、「この水槽で袋から○つかみ分」と、手づかみで計量していた。それでも十分なわけだ。
そして、計量した塩は、別に用意しておいた新水1リットルに、全て溶かす。
5. 隔離水槽にエアーポンプを設置
作業スペースの都合上、5番目としているが、塩を量る前に準備しても構わない。
エアーチューブにエアーストーンを取り付けて、隔離水槽に設置する。
・・・ひっくり返った姿が痛々しいのう。
そして、水槽の蓋があれば蓋を、なければ写真のように、半面をラップなどで覆う。
これは、エアーストーンから出た気泡が弾ける時に、周りに飛び散るのを防ぐためだ。
特に、今回使用しているのは塩水なので、蓋をしておかないと、水槽を置いた場所の周囲が、塩と水でベタベタのザラザラになってしまう。
また、エアーストーンについては、水槽の中層以上の位置に、宙づりになるように設置しよう。
エアーストーンから泡が出ると、それがきっかけで水槽内の水がぐるぐる攪拌されるようになるわけだが。
エアーストーンをそこに設置してしまうと、この攪拌力が強くなり、療養中の金魚がかき混ぜられてしまうことがあるから。
また、エアーの勢いが強すぎる場合も、同様にかき混ぜられてしまう。
このような場合は、
こんな具合に、エアーチューブの一部を洗濯ばさみなどで潰して調節するか、
このようなエアー分配機を持っていれば、
こんな風にして、エアー量を調整できる。
6. 隔離水槽に飼育水を混ぜる
4. で準備した高濃度の塩水1リットルを、準備が終わった隔離水槽に、ゆっくりと追加してやる。
お馴染みのサイフォンの原理を使って、写真のようにエアーチューブでゆっくりと追加してやろう。
こうすることで、金魚に負担がかかる水質変化が緩慢になり、隔離によるダメージを押さえることが出来る。
これで、バケツ内に作った塩水を全て隔離水槽に移動すれば、飼育水合計で5リットル、投入した塩合計で25グラムの、塩水浴槽となる。
以上が、塩水浴の始め方。
ちょっと大袈裟だが、瀕死の金魚を塩水浴させる場合には、このぐらいの手順を踏んだ方がよい。
ところで、今回隔離したじーちゃん琉金だが、尾鰭の一部がすり切れてしまっていた。
多分、ひっくり返っている最中に、どこかに引っかけたか、濾過装置に巻き込まれるかしてしまったのだと思うが。
もっと早く隔離できてればなぁ・・・
尾ぐされの症状とは違うが(尾ぐされの時は、すり切れた尾鰭の断面が、黴が生えたような感じで、文字通り腐ったように見える)、感染症防止のために、隔離水槽にグリーンFゴールドも投入した。
とりあえず、これで数日間、ゆっくり療養させよう。
・・・で、その後の対処の指針だが。
ちょっと考えた方が良さそうだ。
まとまったら、またアップします。