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金魚を飼う前に

金魚を飼うきっかけは、いろいろとあると思います。以前から飼いたいと思っていた、お祭りの金魚すくいで掬った、ウインドウショッピングをしていたら衝動的にほしくなった、友人知人などからもらった、などなど。他にも、もっと意外な理由があるかもしれませんが、どんな場合でも、金魚が来たら最初にしなくてはならないことがあります。これをしておかないと、せっかくの金魚たちが、あっという間にお星様になってしまうことも。

金魚がきたら最初にすること

洗面器で養生さしあたって緊急に必要な物は、水と、それを入れておくための容器です。水の量は、なるべく多めになるように心がけます。容器の方も、それに見合った物を選びます。10リットルのバケツだと、金魚すくいの金魚5〜6匹が限度です。

緊急ではないですが、金魚が窒息してしまわないように、エアーポンプも必要になります。手持ちがあれば用意してください。ない場合は、明日にでも購入するようにしてください。

  • なにはともあれ水の用意
  • バケツなり洗面器なりに、水を用意してやってください。この水ですが、水道水そのままだとカルキ(殺菌消毒用の塩素)が混じっており、金魚にとってはかなりつらい状態になります

    お店で買った場合は、一緒にハイポなどのカルキを抜くための薬品を購入しているかと思いますので、それを決められた量を計って入れてください。用量や用法は、たいてい容器に書かれています。ハイポの場合は、10リットルあたり小粒1粒入れてしまってください (これだと少々量が多すぎるのですが、さしあたってはこの量で)。カルキ抜きがない場合は、同じくらいの大きさの容器を二つ用意して、片方の容器に入っている水を、できるだけ高い位置からもう一つの容器にじゃばじゃばと移し替える、を数回繰り返してください。多少なりともカルキが抜けます。水が飛び散りますので、風呂場などでやった方がいいでしょう。

    水道水や井戸水の水温は、野ざらしの水よりもかなり低いのが一般的です。金魚の入っている袋の水温と比べてみましょう。指で比べるだけでも、違いが分かると思います。このままでは良くないので、用意した水にお湯を注いで、金魚の入っている袋の水と大体同じぐらいの温度になるように調節します。指で計って、違いがほとんど分からなくなる程度で十分です。

  • 用意した水に食塩を加える
  • 「え?」と思うかもしれません。金魚は真水に住んでいるものですし、もちろん今後飼うのも真水です。しかし、到着したばかりの金魚は、とても疲れています。金魚すくいは言うに及ばず、お店で売られているときも、かなり過密な状態で展示されているのが普通ですし、家まで運んでくる間の振動も馬鹿になりません。このような状態では、金魚の疲労は相当なものになります。疲れていると、当然弱ってきます。場合によっては、病気にもなります。そこで、最初に金魚の疲れをとってやることが重要になります。このためにとても良いのが、食塩水なのです。

    食塩水の作り方ですが、これはとても簡単です。用意した水に、1リットルあたり5グラムの食塩を溶かします。8リットルの水を用意したのであれば、8×5g=40g、となります。食塩はなるべく安い物を使用してください。味塩はだめです、混ざり物が多すぎるため、金魚にはあまり適しません。秤がない場合は、料理用の計量スプーンでも代用できます。小さじすり切り一杯が、ほぼ5gです。

  • 金魚を移す前に
  • 準備が整ったからといって、すぐに金魚をドボンと入れてはいけません。水温を合わせてあっても、水質はかなり違うはずですので、金魚はびっくりしてしまいます。下手をすると、心臓麻痺でぽっくり逝ってしまうかもしれません。そうならないように、ゆっくりと水を合わせていきます。

    まず、金魚の入っている袋を、袋のまま用意したバケツなり洗面器なりの水に浮かべます。このとき、袋の中と外の水が混じらないように気をつけてください。そしてそのまま 10 分ほど放置します。これは、袋の水温とバケツの水温を合わせるためです。1.で水を用意したとき、大体の温度合わせは済ませてありますが、ここでさらに温度を合わせるようにします。

    10分経ったら、金魚の入っている袋の水を、3分の1ほど捨てます。それから、捨てたのと同じ量だけ、バケツの食塩水を入れます。そして、また袋のまま10分ほどバケツに浮かべておきます。

    再び10分経ったら、前と同じように、3分の1ほど捨てて、バケツからその分を足します。そして、袋のまま、また10分ほどバケツに浮かべておきます。

    さらに10分経ったら、もう一度同じように3 分の1ほど捨てて、バケツからその分を足します。そして、袋のまま、さらに10分ほどバケツに浮かべておきます。

    これで、最初の水合わせは完了です。

  • 金魚を移す
  • 水合わせが終わったら、金魚の入っている袋から、なるべくなら金魚だけをとりだしてバケツに移します。袋の中の水は捨ててしまってください。これで、とりあえず金魚を迎えるための下準備が整いました。エアーポンプでバケツに空気を送って、金魚が窒息しないようにしてやりましょう。

     

    水槽に移すまで

    金魚の疲れをとるために、食塩水につけてやる準備をしましたが、はたしてどのぐらいの間つけておくと良いのでしょうか。

    理想で言えば2週間ですが、元気な金魚であれば、1週間ほどでいいでしょう。その1週間の間ですが、必ず守るべきことがあります。

    1. 餌は絶対にあげないこと
    2. 人間でも、風邪を引いてつらいときなどは、食事をとるのがきついことがあります。まして、金魚は人間に比べて消化能力がずっと弱いために、静養中に餌をあげてしまうと、それが原因で病気になったり、ひどいときは死んでしまったりします。そのため、この1週間は絶対に餌をあげてはいけません。

      かわいそうな気もしますが、金魚は2〜3週間何も食べなくてもへっちゃらです。常に体温を維持し続けている人間などのほ乳類とは違って、生命維持に大量のエネルギー(つまり餌)を消費する必要がないためです。犬や猫とは、このあたりは根本的に違うのです。むしろ餌を与えて病気にしてしまう方が、ずっとかわいそうです。くれぐれも餌を与えないようにしましょう。

    3. 毎日金魚の様子を観察する
    4. この期間に、金魚が病気を引き起こしてしまう場合があります。きちんと観察して、病気になっていないかを確かめます。もし病気になってしまった金魚がいるようであれば、金魚屋さんなどに相談して、病気にあった薬を入れてやりましょう。

    5. 定期的に水を交換する
    6. 静養中の食塩水ですが、普通の水にくらべてとても汚れやすいため、頻繁に取り替えてやる必要があります。取り替える期間については、「金魚の養生」で詳しく述べます。

    7. 水槽の準備をする
    8. 金魚が養生をしている間を使って、金魚を飼うための水槽の準備を進めておきます。水槽の準備には、最低でも2〜3日は必要になります。余裕を持ってやりましょう。水槽の準備についての具体的な内容は、「水槽の設置」の項で述べます。

     

    金魚の養生

    金魚を養生している食塩水ですが、これは水槽の水よりもずっと汚れやすいため、頻繁に交換してやる必要があります。では、どのくらいの期間で交換すればいいのでしょうか。金魚が病気にもならず、元気に養生できたとしたら、おおよそ以下のような期間での水交換が良いでしょう。

    もし金魚が傷ついているなど、様子がおかしいようであれば、先に「養生中におかしくなったら」で病気やけがの治療をすませてから、ここに戻ってきましょう。金魚に元気がないなと感じたら、無理をせずに、元気が戻るまで、その場で足踏みをしましょう。たとえば、2日目に金魚に元気がないと感じたら、3日目の作業は延期して、3日目には1日目と同じ作業をして、そこからまた日付を数え直す、ぐらいの余裕をみて行いましょう。

    • 0日目、養生を開始した日
    • バケツは日陰の静かな場所に置きましょう。寒い場所、人の行き来が激しい場所、騒がしい場所では養生になりません。

    • 1日目の水交換
    • 全体の8割の水を交換します。最初に養生をするための水を作ったのと同じ要領で食塩水を作り、金魚のいるバケツの水を8割ほど捨てて、新しく作った食塩水を足してやります。古い水を捨てるときは、上澄みを捨てるのではなく、底にたまっているゴミや、水中に漂っているゴミを、できるだけ取り除くようにします。

      新しく足す水は、なるべく静かに、ゆっくりと入れるようにしてください。一度にどばっと入れてしまっては、中の金魚も、水の勢いでバケツ中かき回されてしまい、何のための養生だか分からなくなります。

      水を足すときは、エアーポンプのチューブを利用して、サイフォンの原理で水を加えていく、ぐらいがちょうど良い速度です。のんびりと30分ほどかけるつもりで交換してください。

    • 3日目の水交換
    • 金魚が元気であれば、水槽に移るための準備を開始します。 1日目と同様に8割の水を交換するのですが、新しく入れる食塩水の濃度を半分にします。

      最初に養生をするための水を作ったのと同じ要領で食塩水を作るのですが、この際に、用意した量の半分の塩だけを水に溶かします。この水を使って、古い水を交換します。このとき、交換してから1時間ほどは、金魚の様子が急変していないか、こまめに確認してください。もし異常な行動を示すようであれば、水槽に移るのは延期です。次の「養生中におかしくなったら」を参考にしてください。

      新しく水を加えるときは、1日目と同様に、ゆっくりと加えるようにしてください。

    • 6日目の水交換
    • 金魚が元気であれば、水槽に移るための準備をつづけます。水槽に移るために、食塩水から真水に戻す最終段階です。今回交換する水は、全体の5割程度です。最初に養生をするための水を作ったのと同じ要領で交換する水を用意するのですが、この水には食塩水を加えないでください。そして、養生中の水を半分ほど捨て、新しく用意した真水を、ゆっくりと加えてゆきます。

      もしこの最中に、金魚が異常な行動を示すようであれば、水槽に移るのは延期です。次の「養生中におかしくなったら」を参考にしてください。

    • 7日目、養生終わり
    • 水槽の用意はできていますよね。もしまだならば、水槽に移るのは当分お預けです。「水槽の設置」の章を読んで、水槽の準備がしっかり終わってから、改めてここに来てください。水槽の準備ができているようであれば、いよいよ金魚を水槽に移します。

      まず、金魚が養生しているバケツの水を半分ほど捨ててください。次に、バケツに残っている水の量の半分と同じくらいの量の水を、用意してある水槽からゆっくりと移します。くれぐれも急いて事をし損じないようにしましょう。入れ終わったら、そのまま30分ほど放置して、金魚の様子をよく観察します。

      金魚の様子が元気であれば、再びバケツの水を半分捨てて、今度は捨てた量と同じ量の水を、水槽からゆっくりと移します。入れ終わったら、さらに30分ほど放置して、金魚の様子をよく観察します。

      ここで金魚が元気であれば、いよいよ金魚を水槽に移します。金魚を網なり手なりで一匹ずつ掬い、水槽に移してやりましょう。すべて移し終わっても、翌日までは、非常事態に備えて、養生していたバケツの水はそのまま残しておいてください。水槽の水が少なくなっていると思いますが、足す場合は、カルキを抜いて温度調節をした水を別に用意して、それをゆっくり加えてやります。

      金魚を移し終わっても、翌々日ぐらいまでの間は、環境の変化で体調を崩すこともあります。こまめに観察し、おかしな様子がないかをチェックしてください。また、この間も、引き続き絶食です。絶対に餌を与えないでください。

    • 9日目、はじめての餌やり
    • ここまで無事に乗り切れば、いよいよ金魚の飼育開始です。手始めに餌をあげるところからはじめましょう。とはいっても、いきなりどばっとあげてはいけません。しばらく絶食していたのですから、与える餌は少しずつ増やすようにします。初日は、普通の5分の1ぐらいの量にとどめておきます。しばらく絶食していたのと、餌に慣れていないことなどで、金魚の数が多いと食いっぱぐれるものも出てくるかもしれませんが、かわいそうだからと言って多く与えてしまうと、食べ過ぎて逆にひどいことになりかねません。くれぐれも、餌の与えすぎには注意しましょう。

      以後、1日ごとに5分の1ぐらいずつ増やしていって、5日目で通常通りの餌の量になるような感じで進めてください。

      餌の量などについては、「餌のあげ方」の項が参考になると思います。

     

    養生中におかしくなったら

    順調にいけば良いのですが、万が一、養生中に金魚がおかしくなったら、急いで対処してあげないといけません。もし養生中の水を、薄い食塩水、または真水で薄めている最中であれば、急いで食塩水の濃度を元に戻してください。これで金魚が落ち着いた場合は、まだ養生が足りていなかったと言うことですので、その濃度のまま 3 日ほどおいてください。この間、水を交換する必要はありません。金魚の様子が落ち着いているようであれば、再び「水槽に移すまで」に戻りますが、今度は書かれている日数の倍の期間で (つまり 1 日目の交換を 2 日目、 3 日目を 6 日目として) やってみてください。

    もしおかしな状態が続くようであれば、病気にかかってしまっている可能性が高いですので、金魚屋さんなどで詳しく症状を説明して、それにあった薬を与えてください。なにがしかの事情で相談相手がいないような場合でも、インターネット上で、掲示板を使って相談に乗ってくれるようなサイトも沢山ありますので、そちらを活用されると良いでしょう。「病気かなと思ったら」の項でも、病気について書いておきますが、経験のないうちは、詳しい人に尋ねたほうがやはり得策です。

    それもだめな場合は、とりあえずの処置として、比較的いろいろな病気に効果のある「トロピカルゴールド」という薬がありますので、応急で入れておいて、なるべく早い時期に詳しい人に相談するようにしてください。