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金魚の年齢

あなたの飼っている金魚は、今年で何歳でしょうか?

年齢の計算方法

金魚の年齢は、昔からの習慣をそのまま引きずっており、「数え年 (かぞえどし) 」で計算します。数え年による年齢計算は、戦前までは一般に使用されていました。戦後は、現代の法整備が進み、それに伴って、生まれた時を0才として以降誕生日ごとに1才ずつ加算してゆく、現在の年齢計算が主流になっています。

それに対し、「数え年」というのは、生まれた瞬間を1才とし、以降次の正月を迎えるたびに1才ずつ年を計算してゆくやり方を示します。正月と言っても旧暦での正月ですので、現在の2月上旬ぐらいに相当します。「めでたさも 中ぐらいなり おらが春」(正月はおめでたいが、年をとってしまうので、うれしさも半分だ) という川柳がありますが、これは詠人が正月生まれだったわけではなく、昔は誰もが正月に年をとっていた、と言うことですね。

現在でも、法事などでは、この数え年を使用して計算をしています。たとえば、位牌などに書き込まれる「享年 (きょうねん) 」は数え年ですし、没後2年目をさして「三回忌」としています。

さて、金魚の話に戻りますが、金魚の年齢の計算方法は、昔からずっと「数え年」のままです。「当歳 (とうさい) 」は「1才」の意味で、つまり、その年に生まれた金魚を指します。以降、正月ごとに1才ずつ年を加算してゆきます。「明け二歳 (あけにさい) 」は、「数え年で二歳」と言う意味で使いますので、金魚では普通に「二歳」と言った場合と同じです。ではなぜわざわざ「明け」などと言う言葉をつけるのかというと、その年齢が「数え年」であることを明確にするためです。

ただし、最近は「数え年」の概念を知らない人が多くなったためか、年齢の加算を誕生月毎に行う習慣が生まれつつあります。この場合は、「二歳」と「明け二歳」が指す年齢に食い違いが出ます。ややこしいですね。最近の年齢の数え方をまとめると、下の図のようになります。

金魚の年齢

ちなみに、西洋社会では、金魚であっても、年齢の計算は現在の人間と同様に生まれた時を0才として、誕生日ごとに加算する方法をとります。この場合、日本で「二歳」と言った時と、外国で「二歳」といった時とで異なる年齢を指すことになります。金魚では、年齢が多少ずれても、それほどトラブルにもならないのですが、同様な年齢の数え方をする競走馬などでは、レースの区分けなどに影響が出ますので、この違いは深刻になります。

 

年齢の調べ方

実際のところ、金魚の年齢を外部から正確に調べる方法というのは存在しません。金魚の大きさは、年齢よりも飼育条件で大きく左右されますし、鱗を利用した測定法についても、鱗がはがれた場合や病歴などで変化してしまうので、正確とは言えません。

では、年齢を知る手段は無いのかというと、一つだけ方法があります。金魚に限らず、魚一般について共通なのですが、体内にある「耳石 (じせき) 」を調べることで、ほぼ正確に年齢を知ることができます。耳石とは、耳についた平たい石状の、言うなれば耳垢みたいなものです。木の年輪のように、年ごとに区切りとなる輪がついているので、これを数えることで何歳なのかがわかるのです。

ただし、この方法には欠点があります。一つ目は、耳石の年輪は季節がないとうまく形成されないこと(ヒーターを使用して飼育していたような個体では、正確な識別が難しい)、二つ目は、耳石を取り出すためには、金魚を解剖しないとならないわけで、生きたままで年齢を測ることができない、と言う点です。

残念ながら、生きている金魚の年齢を、正確に知る手段はないのです。ですが、考えてみれば、どんなペットでも、普通飼い主が計算していないと年齢なんて分からないものです。気にしないでおくか、あるいは飼育の楽しみの一つとして、がんばって数えてみるのもいいですね。

 

寿命

金魚は何年ぐらい生きるのでしょうか。じつのところ、金魚の寿命というのは、正確にはわかっていません。良く言われているところでは、10年から15年といったところです。また、丸形、樽型の個体よりは、鮒型の個体の方が長生きしやすいようです。最も長生きした金魚としては、私が知る限りだと、イギリスにいたGoldieという和金が最高で、45年です。

残念ながら、2005年にお亡くなりになりました。英語ですが、当時の記事がBBCのサイトで読めますので、気になる方はどうぞ。インターネットって、本当に便利ですね。ちなみに、こちらの記事にある Japanese television film (日本のテレビ番組)というのは、2005年頭にNHK-BSで放送された「金魚大百科」という番組のことだと思われます。幸いなことに、DVD化されたものが「金魚入門」という書籍に添付されていますので、ゆかりし頃のGoldie君を見ることが出来ます。

 

ところで、金魚の歳のとり方ですが、これも、人間などのほ乳類と比べると随分かけ離れています。まず、体の成長については、ほ乳類などであれば、一定年齢まで成長すれば、それ以上大きくなることはないのですが、金魚の場合は、速度こそ遅くなりますが、歳を重ねるだけ大きく成長してゆきます。

年齢的に最も活発な時期は、明け三歳〜明け五歳ぐらいです。それを過ぎると、尾鰭などの張りが弱くなり垂れ下がりはじめたり、色素が抜けて白っぽくなったりします。動きも、全体的にゆったりとなります。

そして、これらの症状は、人間で言う老衰とはかなり違ったもののようなのです。たとえば、ほ乳類であれば、平均寿命を大きく逸脱して生きることはありません。人間であれば、現在の文化水準で平均寿命としては80歳前後、最も長生きな人でも120歳程度です。猫であれば、平均寿命は15歳程度で、長生きな場合で、私の親が飼っていた猫が24歳で他界、テレビ番組で見たとこがある猫で存命中の27歳というものがいましたが、それでも平均寿命の倍までは生きていません。そのほかの種類についても、平均寿命の倍を超えるような長生きをする個体は、まずいないでしょう。

翻って、金魚はと言うと、平均的には10年から15年程度で死亡する場合が多いものの、上の例でもあるように、45年という平均の3倍に達するような長寿のものが出てくることがあります。これは、金魚に限らず、魚では希に見られる現象で、自然界でも特別長生きするような個体が発生することがあります。たいていは巨大に成長して、川や沼の「主(ぬし)」と呼ばれるようになります。

 

というわけで、あなたが飼っている金魚は、上手に飼えれば、10〜15年ほどは生きてくれると思いますが、ひょっとしたら、あなたよりも長生きするかも知れません。