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金魚を飼うのに必要な物(3)〜餌

金魚がやってきても、しばらくのあいだは、餌を与えません。というよりも、むしろ与えてはいけません。そんなわけで、さしあたって緊急に必要なものではないのですが、無しで済ませられるものでもありません。どんな餌がいいのでしょうか。

たくさん種類のある餌

金魚屋さんなどに行くと、じつに多種多様の餌が並んでいます。何をどう選べばいいのか迷ってしまいますが、とりあえず、どんな餌があるのかを見ていきましょう。

金魚用の餌は、大きく2種類に分けられます。天然飼料と、人工飼料です。

 

天然飼料

天然飼料とは、自然に生きている虫などのなかから、金魚が食べることのできるものを指します。これらの飼料は、生きたまま販売されているものと、冷凍やフリーズドライなどで長期保存ができるようにしたものとに分けられます。

イトメ給餌生きたまま販売されているもののうちで、もっともポピュラーなものが、イトミミズです(イトメとも呼ばれます)。金魚が、もっとも好んで食べる餌の一つですが、いくつか欠点があります。一つ目は、値段が他の餌に比べてとても高くつくこと、二つ目は、保管が難しいこと、三つ目は、生きているが故に病原菌を持ち込む危険があること、です。

一つ目は、気にしない人なら気にしないでしょう。愛猫や愛犬に、毎食モンプチとかペディグリーチャムなどを与えることを考えれば、ずっと安く済みます。三つ目も、それほど神経質になる必要はないでしょう。可能性があることはあるのですが、普通に販売されているイトメならば、ほとんど危険はありません。

問題は二つ目です。イトメは、絶えず水が流れるようにしておかないと、あっという間に死んでしまいます。静水(バケツなどで汲んだまま流れのない水)に置いておくと、半日もしないうちに水が濁り、片端から死んで腐ってしまいます(やったことがあります orz )。イトメは、放っておくと、お互いにより集まって団子のようになるのですが、このとき水が流れていないと、団子の中心にいるイトメが、窒息して死んでしまうらしいのです。そして、死んだイトメが腐り、周りにいるものが影響で死に、という悪循環ができます。そんなわけで、イトメを餌にできるとしたら、絶えず水が流れている環境を作れるだけの設備を持っているか、イトメを売っている店が隣にある、網を持って田圃に行けば好きなだけとれる、といった人でもない限り、難しいでしょう。たまに御馳走としてあげる、程度が精一杯かと思います。

ほかの生き餌としては、販売はほとんどされていないのですが、ミジンコやアカムシがあります。ミジンコは、田んぼや浅い池などによくいるプランクトンの一種で、生まれたばかりの稚魚から成魚まで、幅広く与えることができて、よく食べます。特に、稚魚にとっては、食べることができる数少ない餌の一つです。アカムシの方は、ユスリカと呼ばれる蚊の幼虫です。比較的きれいな水に、たまに群れてうにうにしています。

天然飼料で、もっとも使い勝手の良いのが、もう一つの、冷凍やフリーズドライなどで長期保存ができるようにしたものです。イトメ、ミジンコ、アカムシいずれも、これを加工したものが出回っています。どの金魚でも大変好んで食べますので、餌の候補としてあげられます。値段が少し高いのと、冷凍物の場合、当然ですが冷凍庫を使いますので、家族の反発に遭いやすいのが難点でしょうか。

 

人工飼料

金魚の餌として、もっともポピュラーな餌です。金魚の成長に必要な栄養素などを、人工的に混ぜてバランスをとったものです。多種多様な餌が売られていますが、その形状で大きく2種類に分けられます。

 

一つは、餌を固めて丸い粒にした粒状の餌です。各社から、様々な種類が出ています。

粒状餌どれを選べばいいのか迷いますが、とりあえずは

1.一部の金魚を飼育する場合を除き、水に浮くもの(浮上性)

2.小粒のもの

3.普通のもの(「色揚げ」などの効果は考えない)

あたりを基準に探せばいいかとおもいます。

 

もう一つは、餌をフレーク状(薄っぺらい紙くずのような感じ)にしたものです。

フレーク餌成分自体は粒状のものと大差なく、腐りにくいので水槽の水も汚しにくいのですが、特に初心者の方には、あまりお勧めできません。理由は、あげる餌の量をコントロールしづらいからです。粒状の餌であれば、何粒という単位でかなり正確な量を与えられるのですが、フレーク状の餌だと、大きさもまちまち、薄っぺらいせいで、どのぐらいの量をあげているのかが、とても把握しづらいのです。餌の量をコントロールすることは、金魚の飼育でも最重要の項目で、これが問題なくこなせれば一人前、と言われるほどなのですが、肝心のその部分が、おろそかになりかねません。そういう理由で、私は粒状の餌をお勧めしておきます。

 

浮上性と沈降性

餌の種類を分けるもう一つの指標に、浮上性と沈降性(沈下性と表記される場合もあります)というものがあります。浮上性の餌は、水槽に投入後、長時間にわたって水面に浮くタイプの餌で、沈降性の餌は、投入後、すぐに沈みはじめるタイプの餌です。また、それほど販売されてはいませんが、半沈降性という、投入後、短時間は水面に浮いているが、やがて沈みはじめる、といった性質の餌もあります。沈降性の餌は、与えた餌が水底に沈んでしまうために、食べ残しが発生しやすいという欠点があります。そのため、初心者の方には、あまり勧められないのですが、飼う金魚の種類によっては、沈降性の餌でなくてはならない場合があります。

沈降性の餌が必要な代表格が、水泡眼です。この金魚は、頬のところに大きな袋を持っており、さらに、口が袋よりも下についているために、水面に浮いている餌を食べるのが非常に苦手です。個体によっては、まったく食べることが出来ないものもいます。また、ランチュウや江戸錦などに代表される、背鰭がなくて頭部に大きな肉瘤を持つ種類の金魚も、水泡眼ほどではないのですが、水面に浮いている餌を食べるのが苦手です。

これら、浮上性の餌を食べられない、あるいは食べるのが苦手な金魚というのは、比較的上級者向けの金魚だけですが、もしこれらの金魚を飼うことになったら、餌は、沈降性のものを選ぶようにしましょう。それ以外の金魚については、金魚すくいでお馴染みの小赤に始まり、琉金や出目金、和蘭獅子頭に土佐金まで、浮上性の餌を問題なく食べることができますので、特に初心者のうちは、なるべく浮上性の餌を与えるようにしましょう。

上級者になってくると、人によっては、浮上性の餌を毛嫌いすることもあります。理由は、食べる時に空気もまとめて食べてしまいがちなので、浮き袋に良くない等々、いろいろと諸説うんちくあるようです。ですが、これは、十分に飼育経験を積んできた人が心配することなので、初心者のうちに気にする必要はありません。これらの意見に感化されて、金魚飼育に不慣れなうちから沈降性の餌を使用してしまうと、たいてい失敗します。すでに述べた通り、沈降性の餌というのは、水底に沈んでしまうので、金魚が食べ残すことが多い餌です。この食べ残しの餌を腐らせてしまうと、水質が目に見えて悪化します。水質の悪化は、餌に空気が含まれる云々とは比べものにならないほど金魚に悪影響をもたらします。飼育に慣れている人ならば、食べ残しをスポイトで回収したり、水質の変化を敏感に察知して的確に換水することもできるのですが、初心者のうちは、このような小まめなケアは、まず無理です。表面だけを見て上手の真似をするよりも、まずは、飼育の基本をしっかり身につけることを目指しましょう。

 

品質にご用心

金魚の餌にも、賞味期限があります。食べ物なので、当然ですね。人工飼料であれば、普通は袋に消費期限が書かれています。ただし、この消費期限は、袋を開けていないとき、となっているのがほとんどです。では、袋を開けてしまったら、どのぐらい保つのでしょうか。一概には言えませんが、自分の経験からいくと、気をつけていても一年弱、夏場では 2 ヶ月保たないこともありました。

傷み出した餌を金魚に与えると、餌を食べた後に、はなあげを激しくする、妙に元気がなくなる、糞に半透明の膜がつく、などの症状が出ますので分かります。傷んだ餌は、勿体ながらずに、ばっさりと捨ててしまいましょう。下手に与えて金魚が病気になってしまうよりは、よほどましです。

餌の保管場所ですが、袋に書かれているとおり、直射日光の当たらない、風通しの良い、涼しい場所に保管します。ただし、冷蔵庫の中はだめです。一見すると良さそうなのですが、逆に餌の傷む速度が上がります。夏場に冷蔵庫から物をとりだしたときに、器などが曇るのを思い出してみて下さい。これは、温度差のために、空中の水蒸気が、冷たい物の表面で凝結(水滴になること)しているためです。餌を冷蔵庫に入れてしまうと、餌をあげようと袋を開けるたびに、餌の表面で、この凝結が起こります。そのために、餌はどんどん湿気り、痛みが早まる結果になります。

天然飼料の賞味期限については、生きているものの場合は、当然ですが、死ぬまでが消費期限です。がんばって長生きさせるようにしてください。間違っても、死んでしまったものを与えてはいけません。フリーズドライの餌については、基本的に人工飼料と同じように扱います。消費期限、保管場所なども同じです。

冷凍餌については、保管場所は冷凍庫です。家族の白い目が耐えられない場合は、専用の冷凍ボックスを買ってしまいましょう。気兼ねなく使えます。どのぐらい保つのかは、冷凍する温度などで違ってくるのですが、餌が変色していない間は大丈夫です。保存が長くなってくると、餌の表面が「冷凍焼け」とでも言えるような感じで変色してきます。こうなった餌については、与えると消化不良を起こしますので、人工飼料と同様に、ばっさりと廃棄しましょう。