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金魚を飼うのに必要な物(2)〜濾過装置

水槽の水を、金魚が生きていける綺麗な水に保つ役割を担っているのが、濾過装置です。

水をきれいにする濾過

自然の濾過サイクル天然の川や池、湖などでは、生態系がバランス良く保たれているため、魚が汚した水は、微生物などの力で分解され、自然に綺麗な水へと戻ります。しかし、これは魚の数に比べて、膨大な量の水や土と、自然の循環(川-->海-->雲-->雨)があるからこそ成り立つのです。水槽のわずかな水や砂利だけでは、とうてい間に合いません。

その分解しきれない汚れを取り除くために、水槽では、定期的に水を交換します。ただし、水を綺麗に保つためには、魚の数にもよるのですが、ほぼ毎日水を交換しないとなりません。その作業を緩和するために、濾過装置を用いて、水が汚れてゆく速度を遅くしてやるのです。

物理濾過と生物濾過

水槽の水を濾過するのには、大きく二つの目的があります。一つ目は、金魚の糞や水草の枯れ葉など、目に見える大きさのゴミを濾しとることです。このような濾過のことを、物理濾過と言います。二つ目は、金魚が排泄するアンモニア(つまりおしっこです)などの有害な物質を、金魚に比較的無害な物質に変えることです。バクテリアと呼ばれる微生物が、この浄化の主役を担っているので、生物濾過と呼ばれています。

一般的には、濾過というと物理濾過のことを指しますが、金魚などを飼育するときは、物理濾過よりも生物濾過の方が重要になります。この濾過がうまくいかないと、何度水を交換しても、すぐに白濁したり臭いだしたり、を繰り返して、やがて金魚も病気にかかり、という最悪のパターンに陥ります。そこで、濾過装置は、この生物濾過が、いかに良好に行われるか、が重要になります。

 

酸素の供給

濾過装置にもよるのですが、使用することで得られる副次的な効果に、酸素の供給が助けられる、というのがあります。言うまでもなく金魚も生き物ですから、呼吸をします。金魚は、水に溶けた酸素を、口をぱくぱくさせることで鰓(えら)に流しこみ、体のなかに取り込みます。ところが、水の中に溶けている酸素は、空気中にある酸素に比べて少ないために、金魚がたくさん呼吸をすると、すぐに足りなくなってしまいます。

水中への酸素の供給は、放っておいても、水面を通して自然に行われます。しかし、水槽の場合は、水面で水にとけ込んだ酸素が水槽全体に行き渡る速度よりも、金魚が消費する量の方が多いのが普通です。そのため、何もしないでいると、水槽の酸素はどんどん無くなり、金魚は苦しくなって、少しでも酸素の多い水面に群がる(「はなあげ」と呼ばれています)のです。この動作をしているということは、金魚はかなり危険な状態になっている、ということです。

この酸素の供給に、濾過装置が役に立つ場合があります。濾過装置は、どのような種類であっても、その性質上、水を濾しとるという作業を行います。このとき、濾過装置のおかげで、水が水槽内を循環します。この循環がきっかけで、水面近くにある酸素を取り込んだばかりの水が、素早く水槽全体に行き渡ることになり、結果として、金魚が消費する酸素の一部を賄ってくれます。

 

濾過装置の種類

濾過装置は、その動作の仕方によって、何種類かに分けられます。金魚を飼う場合は、だいたい以下のような物が使われています。

 

上面濾過装置

上面濾過装置よく水槽とセットで売られています。サイズの合った定型の水槽でないと使いづらいのが難点ですが、濾過能力が高く、日頃の手入れもそれほど手間がかからずに済みます。また、広く普及しているため、追加機材なども豊富に揃っているので、水槽飼育を始めるならば、これが一番おすすめです。現在私が使用しているフィルターも、このタイプです。

このタイプのフィルターには、濾過後の水を上部から落下させるときに曝気(水に空気を取り込む)されるため、エアーポンプの役割も同時に果たすという長所もあります。そのため、よほどの事情がない限り、エアーポンプで別に空気を送り込む必要がありません。

底面濾過装置

底面濾過装置水槽の底に敷き、上に底砂利をかぶせることで、砂利を利用して濾過を行います。濾過装置本体のほかに、装置内の水を循環させるためのエアーポンプが必要になります(ポンプを内蔵した物もあります)。昔は、こちらの方がポピュラーでしたが、現在では、手入れや掃除の手間から敬遠されがちです。しかしながら、濾過能力は他のどのフィルターよりも高く、形状も比較的自由になるので、変形水槽や容器にも対応できます。また、仕組みが分かれば、容易に自作することもできます。昔は私も、これを利用していました。今はもう売っていないようですが、金魚鉢用、という変わりダネもあり、利用していました。

外掛け式濾過装置

外掛け式濾過装置比較的新しいタイプの濾過装置で、水槽の側面にぶら下げて使用します。フィルター部分には、主に活性炭が入っており、活性炭による吸着効果を利用した濾過を行います。小型の割に、高い濾過能力を発揮します。欠点としては、フィルター部分が基本的に使い捨てで、出費がかさむことです。また、この型の濾過装置は、基本的に小型の水槽向けのため、60cm以上の水槽では、一応対応をうたっている商品もありますが、あまりおすすめはできません。逆に、30cm程度の小型の水槽であれば、手軽さと濾過能力の高さから、おすすめできます。

このタイプのフィルターも、上面識濾過装置と同様に、濾過後の水を水槽に戻す際に曝気されますので、別途エアーポンプを併用する必要がありません。

投げ込み式濾過装置

投げ込み式濾過装置底面に置いて使用するタイプの濾過装置です。濾過装置本体の他に、装置内の水を循環させるためのエアーポンプが必要になります。主に量販店などで、セットで売られている小型の水槽に入っていますが、この型の濾過装置は、濾過能力が高くありません。普通は、他の濾過装置を使用した上で補助的に使用するか、他の濾過装置が環境的に使用できない場合に使用します。

外部濾過装置

外部式濾過装置主に海水魚飼育用の濾過装置として使用されはじめたもので、水草水槽が流行りだした頃から、濾過によって植物に必要な二酸化炭素を逃がさない、という特性から、水草主体の水槽で使用されるようになりました。装置の値段が高めなこと、濾過能力に比べて手入れなどが面倒であることなどから、金魚が主目的の飼育では、あまり利用されていないようです。

 

濾過水量を確認

どの種類であれ、濾過装置は、濾過に適した水量に応じて、幾つかのサイズに分かれています。セットで売られている水槽の場合は、はじめから適合するサイズの濾過装置が同梱されているので問題はないのですが、濾過装置だけを別に購入する場合は、注意が必要です。

濾過装置の適合水量は、一定時間で何リットルの水を濾過できるのか、で決まります。使用する水槽に対して、この値が小さい場合は、十分な濾過ができなくなります。そして、濾過しきれない汚れが水槽に蓄積してゆき、やがて水質の悪化に歯止めが掛からなくなる最悪の事態に陥ります。

大きすぎる濾過装置はダメでは、大きければいいのかというと、その場合でも、やはり問題が発生します。「大は小を兼ねる」という諺は、濾過装置の場合は当てはまりません

大きな濾過装置は、一定時間で多くの水を濾過します。これは、水槽と濾過装置を往復する水の量が多いということを意味します。小さな水槽に対して大きな濾過装置を使ってしまうと、必要以上に大量の水が水槽と濾過装置を循環するので、そのときに強い水流が発生してしまうのです。金魚は、魚としては泳ぐのが下手な部類なので、この水流に持ちこたえるために、必死になって泳ぎつづけることになります。24時間365日、寝る間もなく全力でマラソンをしているようなものです。やがて弱い金魚から体力が尽きて、水流に翻弄されるようになり、衰弱死してしまいます。

濾過装置を使用する場合は、このあたりのことも注意して、必ず適合する水量のものを用いるようにしましょう。濾過による水流が強すぎるときは、小さなものに買い換えるか、濾過装置によっては濾過量を調整できるものもありますので、それで調整するようにしましょう。また、水槽内に岩などを配置することで、水流の弱い場所を確保して、金魚が休むことが出来るようにしてやりましょう。